研究課題
マウス10T1/2間葉系細胞において,FGFによって活性化されたRhoDが,mDia3Cを活性化してアクチン線維形成を引き起こし,FGF源に向かって特徴的な細く長い細胞突起(CyN)が形成されることを明らかにした.またCyNの中をFGF受容体が受容細胞の細胞体に向かって輸送された.そこで本研究では,CyNが多様なシグナル分子の産生・分泌細胞に対して普遍的に形成され,CyNを介した細胞体へのシグナル分子-受容体の輸送が,効率のよい細胞間シグナル伝達に働いていることを明らかにすることを目的とした.FGF以外にもさまざまな増殖因子,TGF-βファミリー蛋白質,サイトカイン,GPCRリガンド,Shhを10T1/2細胞に作用させると,いずれの場合にもアクチン線維を含むCyNが形成された.CyNの先端にはmDia3Cが局在していた.これらのシグナル分子に対する受容体はいずれも10T1/2細胞に発現していた.したがってCyNはFGFだけでなく多様なシグナル分子により形成されることが明らかになった.これらのシグナル分子のうち,少なくともBMP4については,FGFと同様にRhoDを活性化することが示された.RhoDはSmad1/5/8よりも早く活性化されたので,RhoDはnon-Smadシグナリングにより活性化されると考えられる.一方,LIFを安定に発現しているSNL76/7細胞においても顕著なCyNの形成がみられ,また10T1/2細胞からSNL76/7細胞に向かってCyNが形成された.これらの結果から,CyNはLIFの受容細胞だけでなく,産生・分泌細胞からも形成され,効率のよい細胞間シグナル伝達に働いていると考えられる.さらにCyNの形成にはdynaminのGTPase活性が必要であることが示された.
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Bone
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.bone.2015.02.028
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
巻: 111 ページ: E2291-E2300
10.1073/pnas.1321574111
http://life.s.chiba-u.jp/telab/