研究概要 |
(全体構想) 我々は36.5℃の体で恒常性を保って生きています。そして、時に火や氷雪を「熱い」「冷たい」と感じて回避します。本研究では、我々が温度を感じ取るメカニズムを分子構造のレベルから明らかにします。 (具体的目標) 温度を感知するイオンチャネル(Thermo TRP)の温度を感知するドメインの結晶構造を高解像度で解き、そのタンパク質ドメインの温度特性を熱力学的に解析します。Thermo TRPのイオンチャネルとしての機能を電気生理学的に温度変化と対応させて解析します。温度という「共通のパラメタ-で解析軸を統一」して結晶構造-タンパク質-分子機能とシームレスな解析を行い、「イオンチャネルの温度感知機構」の普遍的な概念の確立を目指します。 上記目的を達成するため、本年度は、Thermo TRP(TRPV1,V2,V4,A1,M8)サブファミリーに対して、アフリカツメガエル卵母細胞を用いた発現機能解析実験を行い、温度に依存した活性の測定を行った。 温度を感知するに対して重要な働きを持つドメインとして知られる、TRPV1とTRPM8の細胞内コイルドコイルドメインの蛋白質の発現、精製を大腸菌を用いて行った。同じく、TRPA1の細胞内アンキリンドメインの蛋白質に対して、大腸菌を用いて発現精製を行った。
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