体温は生体の恒常性維持において最も重要な因子の一つであるが、その分子レベルでの調節機構については未だ不明な点が数多く残されている。申請者らは、ショウジョウバエの温度選択行動を指標にした分子遺伝学的手法を駆使することにより体温調節に関わる分子群の同定を進めている。その過程で、共生細菌の有無により温度選択行動が大きく変化することを見出した。本研究では、1)次世代シーケンサーを用いた各種ショウジョウバエ個体の共生細菌叢の同定、2)体温調節行動に影響を及ぼす菌体の特定、3)質量分析を用いた共生細菌の産生する特異な脂質分子の同定、を行った。
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