記憶抑圧および恐怖条件づけによる記憶強化促進作用が認められた。また、記憶抑圧操作により想起成績の低下を生じた。生理学的指標において、遅延再認時に特に睡眠後に恐怖条件づけによる記憶強化作用が確認され、恐怖条件づけの般化を示していると考えられた。 睡眠後、記憶再認に伴い両側の前頭前野の活動が亢進し、これは睡眠中の記憶強化処理の影響が示唆された。さらに恐怖条件づけ記憶の強化には両側下頭頂葉が関与することが示唆され、恐怖刺激と単語連合記憶との統合に関与すると考えられる。さらに、記憶抑圧操作に関連して、右側前頭前皮質および両側前部帯状回の活動亢進が認められた。
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