心血管系において、ウロテンシンIIとその受容体シグナルの異常亢進状態は、動脈硬化性疾患の発症進展の重要な要因となるので、そのシグナルの抑制因子は動脈硬化を抑制すると考えられる。ウロテンシンII受容体はGタンパク質共役型受容体(GPCR)であるので、本研究では細胞内GPCRシグナル調節因子であるRGS蛋白質の効果について検討し、RGS2、RGS3およびRGS8がウロテンシンIIアンジオテンシンIIシグナルに対して強い抑制効果を持つことを明らかにした。また、その抑制効果を担う分子内領域を特定した。これらのRGSの細胞内発現量を増加させる薬物は抗動脈硬化薬として働くことが期待される。
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