インスリン様成長因子(IGF-1)等の成長因子は、皮膚の創傷治癒の過程で重要な役割を果たしている。IGF-1による表皮細胞遊走促進作用や創傷治癒促進作用は、これまでその機能が知られていないCドメイン、更にはその中の4つアミノ酸からなるSSSRペプチドによってもたらされることを明らかにしてきた。本研究ではそのメカニズムを解析し、SSSRペプチドがIGF-1受容体を活性化するのではなく、アンギオテンシン系のシグナル伝達系を活性化することを明らかにした。これらの結果は、IGF-1の機能の新たな作用メカニズムを明らかにすると共に、新たな皮膚創傷促進薬の開発に繋がるものである。
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