GSK3βは心臓の生理と病理において中心的役割を果たしている。本研究では、GSK3βヘテロ接合体ノックアウト突然変異 (GSK3β +/- KO)と同時に家族性DCM の遺伝的原因の一つである心筋トロポニンT (cTnT) ΔK210 ノックイン(KI)突然変異を導入したマウスを作成した。GSK3β +/- KO は、DCMマウスにおいて、心不全を伴う左心室収縮機能の低下を抑えるとともに、心拡大、心筋線維化および心筋細胞アポトーシス等の心臓リモデリングを抑えた。 本研究の結果は、ΔK210 cTnT 突然変異による家族性DCM においてGSK3β阻害が心臓保護的であることを示唆している。
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