今後の研究の推進方策 |
平成25年度の結果を踏まえ実験系を構築する。 4)HsDj1、HsDj2のRNAiベクターの導入による機能抑性実験:H25年度に構築したHsDj1、HsDj2のRNAiベクターをヒトMuse細胞に導入し、HsDj1、HsDj2がヒトMuse細胞において多能性維持に関わっているかを検証する。Kuroda et al., PNAS 2010で発表したsingle cell suspension cultureにおける一細胞から特徴的な多能性細胞塊(クラスター)の形成の有無や形成率を求める。またAlkaline phosphatase陽性反応の有無の他に、Nanog, Oct3/4, Sox2, Cdx2などの多能性因子の発現の変化を定量PCR, single cell PCR、immunocytochemistry、Western blotで行う。さらに3胚葉性細胞への分化能と自己複製能を検討する。 5) HsDj1とHsDj2との相互作用の解析:H25年で同定したHsDj1複合体とHsDj2スプライシングバリアントに対してHsDj2抗体を用いて免疫沈降し、タンパク質複合体を質量分析解析することによって、HsDj2がHsDj1複合体と相互作用しているかどうかを調べる。 6) Muse細胞の休止状態(Dormancy)におけるHsDj1、HsDj2の機能同定と進化的な観点からの考察:同定したヒトMuse細胞に特異的なマーカー遺伝子候補に関して、対応するマウス遺伝子の抗体を用いて、マウス組織および間葉系細胞を免疫染色し、マウスMuse細胞同定を試みる。またプラナリア、イモリ、またより原始的なカイメンにおいて、in situ hybridizationを行い、どのような細胞が染色されるかを調べる。その共通点あるいは相違点に関して進化的な観点から考察をする。
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