研究実績の概要 |
平成26年度の実績は、1)HsDj1、HsDj2のRNAiベクターの導入による機能抑性実験:H25年度に構築したHsDj2の各exonごとのRNAiベクターをヒトMuse細胞に導入し、HsDj2がヒトMuse細胞において多能性維持に関わっているかを検証した。その結果、exon 4をsiRNAで抑制すると神経様の形態を、またexon6を抑制すると肝細胞様の形態にMuse細胞が変化した。これらの細胞における神経マーカー、肝細胞マーカーの発現をRT-PCRとimmunocytochemistryで評価したところ、exon4の抑制型ではMAP-2等の神経マーカーが、exon6の抑制型ではalpha-fetoprotein, albumin,等の肝細胞マーカーが出ていたので、一つのexonを抑制しただけで、内胚葉、あるいは外胚葉系への分化が促進された可能性が考えられる。 2)HsDj2にはfull lengthと複数の短縮型が存在する可能性が示唆された。そこで、MuseにおけるHsDj2のsplice varientを調べたところ、exonは1〜7まであり、約9種類のsplice varientが存在する可能性が示唆された。その中でもMuse細胞に特異的に発現していると思われるvarientが2−3種類存在すると想定された。 3)Muse細胞は接着状態よりも浮遊に一定時間おかれたほうが多能性因子の発現が上昇し、様々な細胞への分化能も上がることが確認された。例えば、接着状況にあるMuse細胞よりも、浮遊に12時間ほど置かれたMuse細胞はOct3/4, Nanogの10倍程度の上昇が、またSox2では30倍の上昇が見られた。また生殖幹細胞に関連する因子も一部はMuse細胞で発現していることが分かった。
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