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2015 年度 実績報告書

細胞膜スフィンゴ糖脂質と転写制御のリンクによる膜ミクロドメインの動的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25670141
研究機関中部大学

研究代表者

古川 鋼一  中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80211530)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードメラノーマ / ガングリオシド / 転写因子 / セクレターゼ
研究実績の概要

本研究では、細胞膜糖脂質と細胞内転写因子のリンクによる膜糖脂質会合タンパク質の動的機能の解析を目ざしてきた。具体的には、悪性黒色腫(メラノーマ)の細胞膜でガングリオシドGD3に会合する分子、ネオジェニンが同定された。このネオジェニンがガンマセクレターゼによって切断された後、その細胞内部分が核内に移行して転写因子として働くことが想定された。そこで、実際にこの細胞質ドメイン(Ne-ICD)が切断されて、メラノーマの悪性形質を増強する作用を発揮しているのか否かを明らかにするための種々の実験を行った。
Ne-ICDの発現を、GD3+ 細胞とGD3- 細胞間で比較すると、プロテアソーム阻害剤添加時に、GD3+細胞で明らかな発現上昇が認められた。一方、ガンマセクレターゼ阻害剤のDAPTで処理すると、ガンマ産物は認められなかった。よって、GD3+細胞ではガンマセクレターゼ活性によりNe-ICDがより多く発現していることが分かった。このことは、GD3、ガンマセクレターゼ、ネオジェニンの同時免疫染色でも明らかになった。さらに、これらの分子の共同作用によって、Ne-ICDの転写促進作用がメラノーマの形質に影響を及ぼしているか、につき、ChIP-シークエンス解析を行った。即ち、断片化したDNA浮遊液から抗ネオジェニン抗体で免疫沈降したサンプル中のDNA塩基配列を、DNA断片をクローニングした後に解読することで検討した。28種以上の遺伝子が同定されて、少なくとも半数以上が、Ne-ICDの一過性導入で発現上昇を示した。よって、GD3発現下で、メラノーマの悪性形質の発現に働く実行委分子の候補が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Regulatory Function of Glycosphingolipids in the Inflammation and Degeneration.2015

    • 著者名/発表者名
      Furukawa K,
    • 雑誌名

      Arch. Biochem. Biophys.

      巻: 571 ページ: 58-65

    • DOI

      doi: 10.1016/j.abb.2015.02.007.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Ganglioside GD3 Enhances Invasiveness of Gliomas by Forming a Complex with Platelet-derived Growth Factor Receptor α and Yes Kinase2015

    • 著者名/発表者名
      Ohkawa Y, Momota H, Kato A, Hashimoto N, Tsuda Y, Kotani N, Honke K, Suzumura A, Furukawa K, Ohmi Y, Natsume A, Wakabayashi T, Furukawa K
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 290 ページ: 16043-16058

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.635755.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 糖脂質糖鎖によるシグナルの制御のメカニズム2015

    • 著者名/発表者名
      古川鋼一、大川祐樹、大海雄介、橋本登、古川圭子
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2015-12-04
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒトmelanoma細胞におけるNeogenin細胞内ドメイン(NelCD)標的遺伝子の同定2015

    • 著者名/発表者名
      金子 慶、大川祐樹、橋本 登、大海雄介、山内祥生、岡島徹也、小谷典弘、本家孝一、古川圭子、古川鋼一
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2015-10-08
  • [学会発表] 癌関連連鎖との協同作用により癌形質を発現する分子群の同定と作用機構2015

    • 著者名/発表者名
      古川鋼一,大川祐樹、橋本登、金子慶、小谷典弘、本家孝一、大海雄介、古川圭子
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2015-10-08
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] Gangliosides Regulate Tumor Properties: With Focus on the Suppression of Metastasis-Associated ppGalNAc-T13 with GM1. In Sugar Chains Capter 4, Eds by T. Suzuki, Springer2015

    • 著者名/発表者名
      Frukawa K, Matsumoto Y, Zhang Q, Furukawa K
    • 総ページ数
      288 (55-70)
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2017-01-06  

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