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2013 年度 実施状況報告書

自閉症発症機構解明を志向した細胞接着因子結合タンパク質群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25670149
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関京都大学

研究代表者

原 雄二  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60362456)

研究分担者 田邊 賢司  東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80423341)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード自閉症 / 神経接着因子 / プロテオーム解析
研究概要

細胞接着分子群の結合は、シナプス間あるいはニューロン-グリア間における直接的・機能的相互作用に深く関わり、神経活動およびその調律に必要不可欠である。細胞接着因子間の結合破綻は様々な神経疾患を惹起することが知られている。本申請では細胞接着因子様タンパク質として機能するNeurexin スーパーファミリーのうち、自閉症・癲癇・失語症等の原因因子でありながらその中枢神経系における機能が詳しく解明されていない分子群に着目し、その細胞外領域部分の配列を用いてプロテオーム解析を行い、その結合の生理学的意義を追求することを本研究の目的としている。
今年度はプロテオーム解析用のタンパク質の安定発現系の構築、培養細胞への発現系の構築、およびマウス脳画分からの結合タンパク質の単離を行った。タンパク質発現系についてはGSTタグとの融合タンパク質としてHEK293細胞に発現させ、分泌タンパク質として培地から回収する方法を採用した。目的タンパク質の調製には成功したものの、非特異的結合を除去するためのコントロールの調製系が構築できなかった。そのため、目的タンパク質とGSTタグの間にプロテアーゼ認識部位を挿入する方法を採用した。それによりタンパク精製後、TEVプロテアーゼ処理によりGSTと目的タンパク質を切り離すことができ、真のリガンド分子を単離できることが期待された。
マウス脳膜画分を界面活性剤により可溶化し、目的タンパク質を吸着したカラムと混合したところ、SDS-PAGEゲル状では明らかな特異的バンドは検出されなかった。そこでアフィニティーカラムとの混合過程の条件検討を行うと共に、目的タンパク質の配列を用いて酵母ツーハイブリッド法、および近接タンパク質をラベル化する方法により、相互作用分子の探索を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前述のとおりタンパク質発現系構築には成功したものの、プロテオーム解析の過程で目的タンパク質に特異的に結合する分子の抽出に手間取っている。その理由として、脳画分とアフィニティーカラムとの混合の際の条件検討を注意深く行う必要があることが挙げられる。期間内に成果を挙げるため、他の手法も現在遂行している。
また、平成25年度中に異動があったことも挙げられる。現在は研究を最大限推進させられる体制が整っている。

今後の研究の推進方策

現在、条件検討(界面活性剤、塩濃度)を行うとともに、別の実験系(酵母ツーハイブリッド法)、あるいは近傍分子をクロスリンクする方法などを用い、網羅的にプロテオーム解析を行う方法などを開始している。

次年度の研究費の使用計画

昨年度における本研究推進の際に、他の研究費(テニュアトラック関連予算)で行ったため。
昨年度から繰り越した金額については、結合タンパク質の同定(ラベル化の後プロテオーム解析、あるいは酵母ツーハイブリッド法)に係る支出に充てる予定である。それ以外の予算は現在のところ当初の計画に従う予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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