研究課題
スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は生体膜構成成分スフィンゴ脂質の代謝産物であり、細胞表面に発現しているスフィンゴシン1-リン酸受容体(S1PR)と結合し、細胞遊走などの生理活性を発揮する。S1PRはGタンパク質共役型受容体(GPCR)であり、これまでに5つのサブタイプが同定され、それぞれ組織特異的に発現している。そして、近年S1PRがガンの悪性化に深く関わることが明らかになってきていおり、腫瘍マーカーとしての位置づけも重要となってきた。現在、受容体を標的とする腫瘍イメージングは、RI標識したリガンドおよびリガンドアナログを用いて行われている。また、抗腫瘍作用を有するリガンドの開発も盛んに行われている。しかしながら、従来の治療・診断用物質は、標的となる腫瘍細胞表面の受容体のみならず、正常細胞に発現している受容体とも交差反応するために、診断精度・治療上の安全性に問題が指摘されている。そのため、サブタイプ特異的作動薬および診断薬の開発が期待されている。そこで、S1PRの各サブタイプと特異的に結合できる人工リガンドを「RNA」という高分子マテリアルを利用し、創製することを試みている。本年度は昨年度に引き続きヒトS1PRの細胞表面部のペプチドを組換えタンパク質として調製し、これを標的としてSELEX法でアプタマー取得を試みた。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
RNA Biology
巻: 12 ページ: 922-926
10.1080/15476286.2015.1073436.
Cell
巻: 21 ページ: 1058-1073
10.1016/j.cell.2015.04.029.
http://www.phar.kindai.ac.jp/biochemistry/index.html