ハダカデバネズミは超長寿のげっ歯類である。加齢マウスの肝臓ではユビキチン化タンパク質が増加するのに対して、ハダカデバネズミではこの現象は観察されない。そこで、両種の皮膚線維芽細胞を用いてプロテアソーム系の活性と発現を比較した。まず、26Sプロテアソームを精製してキモトリプシン活性を測定したところ、ハダカデバネズミ細胞の方が約2.5倍活性が高かった。数あるプロテアソームサブユニットの中で、免疫プロテアソームを構成するβ1iタンパク質だけがハダカデバネズミ細胞で顕著に高発現していた。この結果は、ハダカデバネズミにはタンパク質品質管理能が増強された特殊なプロテアソーム系が存在することを示唆している。
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