22q11 欠損症候群は3000人ー4000人に1人に認められる染色体異常であり、そのうち約25-30% が統合失調症を発症することが報告されている。 我々は、22q11 欠損症候群モデルマウスの中枢神経系の解剖学的、組織学的解析を行い海馬の歯状回と大脳皮質の介在神経細胞の発生異常が存在することを見出した。 同様の表現型はDgcr8 単独のknockout mice でも認められることから、Dgcr8 欠損により生じる神経発生異常であると考えられた。 今回、我々は、Dgcr8 のレンチウイルスによる過剰発現が22q11 欠損症候群モデルマウスで認められる神経発生異常、行動異常を補償できるか検討を行った。 Dgcr8 の再発現は22q11欠損症候群の介在神経前駆細胞が示す、Cxcr4 シグナル反応性異常を補償できることが確認できた。
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