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2013 年度 実施状況報告書

ヌードマウスに発毛を誘導する因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25670160
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

堀内 新一郎  東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (60588234)

研究分担者 久保田 俊一郎  帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00260480)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード発毛因子 / 癌細胞 / ヌードマウス
研究概要

これまでの研究で、癌細胞をヌードマウスに移植した際に、発毛が観察されている。そこで発毛を誘導する候補となる癌細胞A、Bと発毛の誘導が観察されていない癌細胞Cをヌードマウス(1匹ずつ)に移植し発毛の経過を観察した。その結果、移植19日目に癌細胞Aを移植したヌードマウスにおいて、他のマウスと比較して発毛が促進していた。次に癌細胞A、Cを移植したヌードマウスと癌細胞を移植していないヌードマウス(6匹ずつ)において、長期間、発毛の経過を観察した。すべての個体において発毛を確認したが、発毛の程度は癌細胞Aを移植したヌードマウスで最も大きかった。発毛部位は頭部から徐々に臀部へ経時的に変化し、これが繰り返された。癌細胞Aを移植したヌードマウスでは、他のヌードマウスにおいて脱毛が確認された部位においても毛が残存していた。このことから癌細胞Aの移植により脱毛を抑制する可能性が示唆された。
発毛因子をスクリーニングするにあたり、ヌードマウスを用いたin vivoの系では、結果が出るまでに長い時間を要し、またコストもかかるため、大量のサンプルのスクリーニングに適していない。そこでin vitroにおいて発毛因子をスクリーニングする系の構築を試みた。ヌードマウスはFOXN-1に変異が起こっており、この変異により十分なケラチンが形成できず無毛となることが知られている。癌細胞Aの移植が、FOXN-1シグナル経路に作用して発毛現象を引き起こしている可能性が考えられる。そこで癌細胞Aの培養上清や腫瘍抽出物を培養細胞に添加し、FOXN-1シグナル経路の遺伝子(FOX-1、PLC-δ1、kRTHA3B)の発現が誘導されるかを調べた。しかし、様々な培養細胞に癌細胞Aの培養上清や腫瘍抽出物を添加したが、これらの遺伝子の発現変化は検出できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヌードマウスを用いて発毛を観察する方法は、時間とコストがかかる。そこでin vitroでのスクリーニング法の確立を試みた。しかし、現時点では、マーカーとなる遺伝子を発見できなかった。このため当初の計画であった培養上清からの発毛因子の精製、同定に至らなかった。

今後の研究の推進方策

培養上清からの発毛因子の精製、同定を遂行するにあたり、in vitroにおけるスクリーニング法の確立が重要である。そこでiTRAQにてタンパク質レベルで発現を網羅的に解析し、癌細胞Aの腫瘍抽出物により発現変化するタンパク質を同定したい。発現変化したタンパク質と発毛の関係を調べ、発毛因子のスクリーニングのためのマーカーとなりうるか評価する。また、同時に培養上清を用いてタンパク質の分離精製を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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