研究課題
LRP4分子が有する4つのLDLRB (LDLR type B repeat)ドメインのうち3番目のLDLRBドメインに2つのミスセンス変異を先天性筋無力症候群(CMS)において同定した。これらミスセンス変異はLRP4のagrinとMuSKへの結合を阻害し、agrinによるMuSKリン酸化ならびにAChRクラスタリング能力を低下させることを実証した。これら変異はWnt-βカテニンシグナル系には影響を与えなかった。骨過形成を特徴とする2型骨硬化症(SOST2)において第3 LDLRBドメインに別の2種類のミスセンス変異が同定をされているが、これらはagrin/LRP4/MuSKシグナル系には影響を与えなかったが、LRP4によるWnt-βカテニンシグナル抑制が障害をされていた。分子モデリングにてCMS変異は第3 LDLRBドメインの外周部に位置し、SOST2変異は中央部に位置することが示唆された。第3 LDLRBドメイン外周部に2種類の人工的なミスセンス変異と中央部に2種類の人工的なミスセンス変異を導入し機能解析を行った。外周部の2変異はCMS変異と同様にagrin/LRP4/MuSKシグナル系を阻害したが、正常LRP4と同様にWnt-βカテニンシグナル抑制作用を示した。一方、中央部の2変異はSOST2変異と同様にagrin/LRP4/MuSKシグナル系に影響を与えず、Wnt-βカテニンシグナル抑制作用の障害を示した。これらの解析により第3 LDLRBドメインの外周部はagrin/LRP4/MuSKシグナル系に重要であり、一方、中央部はWnt-βカテニンシグナル抑制に重要な役割を担うことを明らかにした。
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