心筋のT管は筋形質膜表面に生じた電気的興奮を瞬時に内部へ伝え、全ての筋原線維の収縮を同時に誘発させる。我々は、T管を支持する分子群を解明するために、心筋症ハムスターTO-2に着目した。 本研究では、TO-2ハムスターでは心室筋のZ線とT管が崩壊し、ジストロフィン結合タンパク質であるδ-サルコグリカンの欠損と中間径フィラメントであるデスミンのアミノ点変異(Ala191Thr)が存在することを明らかにした。さらに正常心筋においてデスミンはδ-サルコグリカンと架橋し、T管の安定性に寄与していることも明らかにした。本研究で得られた知見は、心臓病治療に対する新たな戦略的視点を与えるものである。
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