卵巣明細胞癌(CCA)臨床検体においてHNF-1βの発現は活性化NF-κB/p65の発現と相関していた。また、癌の低核異型及び非充実性増殖様式と相関した。CCA細胞株においてTNF-αで核内p65とHNF1βの発現増加がみられ、HNF1βプロモーター領域+89~+179の範囲にp65の結合部位の存在が示唆された。HNF1βノックダウンでアポトーシスが増加しbcl-2/bax比の低下を認めた。外因性HNF1β下でbcl-2のプロモーター活性が増強した。以上の結果から、CCAではNF-κBにより誘導されるHNF-1βがbcl-2遺伝子の転写を促進し、ミトコンドリア依存性アポトーシス経路を抑制する。
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