研究課題/領域番号 |
25670181
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
肥田 直子 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (70360112)
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研究分担者 |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10209702)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 虚血性心疾患 / 再生医療 / ヒト幹細胞 / バイオリソース / 心筋分化 |
研究実績の概要 |
我々は羊膜由来間葉系幹細胞における心筋再生医療への応用を目指した基盤的な研究を進めている。その中で羊膜組織を構成する上皮系と間葉系の細胞の特性を明らかにすることを考えた。昨年度に引き続き、酵素処理にて単離し、上皮系と間葉系の細胞に分離したヒト羊膜由来細胞の特性及び心筋分化能を評価した。分離した上皮系および間葉系細胞に対して、羊膜細胞の高い免疫寛容能や心筋分化能に関与するとして報告した免疫抑制サイトカインであるインターロイキン-10 (IL-10) 刺激し、その後の細胞動態を明らかにするため遺伝子発現解析を行った。その結果、上皮系と間葉系でそれぞれ特徴をもった発現パターンを有していることがわかった。これらの中では、組織内での相互作用が想定される発現パターンも認められており、現在より詳細な解析作業を進行中である。移植ツールからのアプローチと同時に、心筋誘導刺激のFeederとして用いているマウス培養心筋細胞の細胞成分をMACS法で分離し、心筋誘導に関わる細胞の探索を試みた。これまでの様々な組織由来の間葉系幹細胞における心筋誘導実験から誘導は、Feederの細胞成分条件と拍動力の両方が揃わないと実現されない。しかしながら抗体反応で低温下におく必要があるMACS法によるFeeder細胞成分の分離を行うと従来法と比べ分化誘導効果が劣る為、細胞成分の差異に伴う心筋誘導率の判定基準に見直しを検討中である。同時に共培養アッセイシステムを用いて、アレイ解析と同条件で処理をした細胞の心筋誘導実験も進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的を達成するための研究計画に沿って実験を遂行できているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画にのっとり、引き続き心筋誘導刺激因子の同定と心筋誘導に関わる細胞成分の探索の2方向から心筋分化のメカニズムを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費と併せて消耗品購入に充てる予定である。
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