フィラデルフィア染色体陽性白血病の発症原因は、染色体相互転座により形成される融合遺伝子産物BCR-ABLの恒常的チロシンキナーゼ活性であり、BCR-ABLの特異的チロシンキナーゼ阻害薬の導入によりその治療成績は劇的に向上した。しかし、治療開始時・途上を問わず薬剤耐性症例が認められるため、極少数存在する耐性細胞の検出を可能とする技術開発が望まれている。本研究では、我々が開発した薬剤耐性細胞検出技術を基に、FRETバイオセンサーの改良、検出法の開発と改良、解析法の改良により薬剤耐性細胞検出能を従前技術の100倍に向上することを目的とし、結果として162倍の高感度化を達成した。
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