研究課題
挑戦的萌芽研究
本年度では、まず、ZFN技術を用いてアポCIII/KOウサギ の作製に成功した。15対ウサギアポCIII・ZFN配列を設計し、ウサギの受精卵35個に注入した後、5日目に受精卵への導入率を比較した。その結果、最も効率の良い配列(Set1)は50%(8/16)であったため、マイクロインジェクションに選定した。Set1配列のmRNA((4-10 ng/μl in 1 mMTris-Cl/0.1 mM EDTA)を精製し、145個のウサギの受精卵質へマイクロインジェクションを行い、7羽の雌仮親の子宮への移植を実施した。21羽の子ウサギが得られ、5羽がアポCIII/KOウサギであることがPCRで検出できた。1羽は生後すぐ死亡したが、成功率は23.8%であった。アポCIII遺伝子変異をPCRにより解析したところ、生存している4羽のFounderウサギのアポCIII遺伝子変異(KO)が確認できた。これらの研究成果はJ Vis Exp雑誌で発表した(J Vis Exp. 2013; doi: 10.3791/50957)。また、成功効率が格段に優れた新しい技術としてRNA-guide Cas9 systemを利用し、アポ蛋白EやLDL受容体、CD36など4種類のウサギの欠損モデルの作製に成功した( J Mol Cell Biol 2014; doi: 10.1093/jmcb/mjt047)。今後、これらのウサギのgermlineの確認と表現型の解析を推進していきたい。
2: おおむね順調に進展している
新しい技術Cas9の誕生によって、KOウサギの作製を予測より早く実現することができた。しかし、アポAIIのノックインの効率が思わしくなく、再チャレンジが必要である。
KOウサギの作製は、より容易に成功できるようになった。しかし、ホモまでの繁殖にはかなりの時間を要することが予想される。今後、人工授精により、いかにウサギの繁殖効率を向上させるのかが重要な課題となる。
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Mediators of Inflammation
巻: 2014 ページ: 1-7
doi:10.1155/2014/683598
巻: 2014 ページ: 1-8
doi:10.1155/2014/979132
J Mol Cell Biol
巻: none ページ: 1-3
doi: 10.1093/jmcb/mjt047
J Vis Expt
巻: 81 ページ: e50957
2013; doi: 10.3791/50957
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/pathol01/gyouseki.html