本研究は新規抗炭疽ワクチンの開発に結実させることを最終目的とする。そこで、既に明らかになっている炭疽菌毒素タンパク質複合体の四次構造を標的とし、計算科学的手法により毒素複合体上の任意の領域と一致する分子表面形状を呈示する人工タンパク質を設計するための理論の構築を行った。研究期間内には少なくとも3分子の構造設計を行い、実際に作出して構造解析ならびに生化学的解析を行うことで分子設計手法の理論の妥当性を評価した。また、新学術領域「ゲノム支援」の2015年 度の支援課題に採択され、国内外で深刻なアウトブレイクを引き起こした炭疽菌株ならびに炭疽菌に近縁のセレウス菌強毒株の全ゲノム情報を得た。
|