本研究ではハエ腸管内の細菌叢変化および抗生物質耐性菌の消長を培養法ならびに遺伝子学的手法を用いて解析した。ハエの幼虫・蛹・成虫いずれの成長過程においてもハエの腸管内には多様な抗生物質に対する耐性菌が存在し、公衆衛生の面から様々な問題が危惧された。次世代シーケンサーによりハエ腸管内菌叢の解析を実施した。細菌叢はハエの成長過程毎に一変し、世代間における細菌叢も全く異なっていた。アンピシリンやカナマイシン耐性菌濃度は数百万菌体/g-腸管であった。産仔のために投与した豚レバーに存在する菌叢とそれを摂食したハエの腸管を構成する菌叢はまったく異なっていた。
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