研究課題
結核菌のヒストン様蛋白質Mycobacterial DNA-binding protein 1 (MDP1)の翻訳後修飾酵素を結核菌ゲノム配列から推定し、約80の候補遺伝子をクローニングした。約半数について、遺伝子をpET22bベクターに挿入し、翻訳後修飾のない組み換えMDP1に修飾が生じるかを検討した。修飾はMDP1の翻訳後修飾を特異的に認識するモノクローナル抗体により、ウエスタンブロットを行った。半数の40クローンほど試験を行ったが、現在まで陽性クローンは得られていない。一方、結核菌の細胞破砕液を用いて、アイソトープラベル体の取り込みを、翻訳後修飾のない組み換えMDP1に対して行った結果、単クローン抗体が認識する翻訳後修飾が生じた。細胞破砕液の修飾酵素の精製を、イオン交換クロマトグラフィーで行い、活性画分を得ている。
2: おおむね順調に進展している
充分な準備と実験計画にそって進めている。細菌のエピジェネティクス様制御を担う修飾酵素は未同定であるが着々と進めていきたい。
クローニングを行った約80の翻訳後修飾候補遺伝子のうち、未試験の約40 の候補について活性の有無の検討を終える。一方、結核菌細胞破砕液中の酵素画分について、網羅的質量分析同定を行い、酵素を絞り込む。これまで、翻訳後修飾を担う酵素は同定できていないが、研究計画にそって最善を尽くして責任分子を同定し、細菌のエピジェネティクス様制御の実態に迫りたい。
キャンペーン価格で研究消耗品を購入できたため。
研究効率を高めるキットの購入や、蛋白質精製に利用する高額のカラムの購入にあてる。
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J Water Health
巻: 12 ページ: 211-219.
doi: 10.2166/wh.2013.007.
http://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/summary/index.html
http://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/research/kiso/saikin.html