研究課題
結核菌ゲノム情報をもとに、結核菌ヒストン様蛋白質の翻訳後修飾を担う可能性がある80遺伝子を絞り、そのすべてをクローニングし、TACプロモーター誘導でヒストン様蛋白質と共発現するようなベクターを構築した。それによって大腸菌を形質転換し、大腸菌では生じない結核菌ヒストン様蛋白質の翻訳後修飾が生じるかを、修飾を認識する単クローン抗体によるウエスタンブロット法により確認した。しかしながら、いずれの組み換え体においても顕著な翻訳後修飾の付加は、認められなかった。80遺伝子について、実際に発現しているか否かについても、遺伝子のC末に挿入したタグを認識する抗体で確認したが、80%程の遺伝子は顕著に発現していた。残る20遺伝子については、個別に発現させ、非修飾体と混合することで、翻訳後修飾が生じるかを指標に、酵素の同定を目指している。一方、結核菌体より酵素を精製する生化学的な手法によっても、翻訳後修飾酵素の特定を進めた。ソートン培地で、ヒト型結核菌を大量に培養し、菌体と培養濾液を得た。翻訳後修飾が付加されていないヒストン様蛋白質と、それぞれのサンプルを一定時間混合し、付加される翻訳後修飾を、単クローン抗体によるウエスタンブロットで解析した。まず、酵素活性は、培養濾液よりも菌体に多く認められた。次に遠心操作によって、細胞壁、細胞膜、細胞質画分に分離し、酵素活性を測定したところ、細胞壁や細胞膜画分に多く認められた。また、pHの変化で、酵素活性が影響をうけることを確認した。次ぎにイオン交換体による分画を行い、酵素活性を含む画分を得た。さらにトリプシン分解後の質量分析とデータベースサーチにより、活性画分に含まれる蛋白質を同定した。現在、可能性のある蛋白質についてモチーフ検索等を行い遺伝子に絞り込んでいる。絞り込んだ後に発現させ、酵素活性の検討を行い、可及的早急に酵素を同定したい。
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