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2014 年度 実績報告書

ポリオウイルスの血液脳関門透過機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25670221
研究機関公益財団法人微生物化学研究会

研究代表者

水谷 壮利  公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (00376617)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード血液脳関門 / ドラッグデリバリー / ポリオウイルス
研究実績の概要

薬物の効果を最大限に発揮する薬剤送達システムの発展において、薬剤標的化技術の向上は副作用の低減、および薬効の増強の意味合いから重要課題の一つである。特に中枢神経系への薬物 運搬技術は、BBB を越えることができる低分子物質やペプチド(cell penetrating peptide; CPP) などをキャリアーとすることが有効であると考えられるが、BBB 透過の分子機構は未解明な点が多 く具体的なキャリアー候補が乏しいため、明確な方法論が存在しない。
我々はこれまでにマウスモデルを用いた研究で、ポリオウイルス(PV)が消化管から侵入後、 血液中から BBB を越えて脳実質部分に非常に速い速度で移行することを報告している(Yang W et al. J.Virol 1997)。申請者はこの PV の性質が BBB 透過の技術開発に有効と考え、PV に存在する 中枢神経指向性の責任部位の同定を研究課題として進めてきた。
初年度の解析では候補因子として考えていた感染標的の細胞膜上に存在するトランスフェリンレセプターとPVの結合部位の同定からその機能の解明を進めてきたが、今年度のさらなる解析により、PV 外殻を構成する蛋白質中から新たに2種類の細胞透過性を示すペプチド配列(CPP-N4,CPP-N6 と命名)を同定した。この CPP-N4、N6 はマウス脳血管内皮細胞株(MBEC4、bEnd.3)に効率良く細胞内移行を示す一方で、子宮頸癌由来細胞株(HeLa)、大腸がん由来細胞株(RKO)ではそれが確認されない。すなわち当該ペプチドは脳血管内皮細胞に特異的な細胞指向性を明白に示しており、BBB 透過の責任ペプチドとしての可能性が期待される。本成果は研究目的に掲げたPVのBBB透過の分子機構の解明につながる意義ある成果である。

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公開日: 2016-06-01  

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