ポリオウイルス(PV)は血液を介し中枢神経系に到達し、四肢の麻痺(ポリオ)を引き起こすウイルスである。本研究ではPV に存在する 中枢神経指向性の責任部位の同定を研究課題として進めてきた。 候補因子として考えていた血管内皮細胞の細胞膜上に存在するトランスフェリンレセプターとPVの結合部位の同定からその機能の解明を進めてきた。またPV 外殻を構成する蛋白質のひとつであるVP1がトランスフェリンレセプターとの結合に重要であり、VP1およびトランスフェリンレセプター双方の結合必須部位の同定を行なった。VP1は細胞内移行にも関与することからPVの中枢神経への伝播への責任部位であることが示唆された。
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