研究課題/領域番号 |
25670227
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20134364)
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研究分担者 |
坂本 明美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90359597)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 免疫学 / 発生・分化 / 遺伝子 / 濾胞ヘルパーT細胞 / 胸腺 / 記憶T細胞 |
研究概要 |
1)ナイーブCD4T細胞の不均一性の検証 野生型マウスの脾臓より調整したリンパ球を用いて、CD62+CD44-ナイーブCD4T細胞の表面抗原の解析を行い、Ly6C陽性と陰性との2種類のナイーブ細胞が存在することを明らかにした。これら細胞の局在を調べた結果、二次リンパ臓器や、肺などの末梢臓器でも2種類の細胞が検出されたが、胸腺のCD4T細胞ではLy6C陰性のみしか存在しなかった。 さらに2種類の細胞の性質の違いを検討するために細胞内のタンパクの発現を調べた結果、Ly6C陰性の細胞で転写因子Bcl6の発現が軽度認められ、Ly6C陽性の細胞では発現していないことを明らかにし、遺伝子発現レベルでも同様の結果を得た。そこでこれら細胞分化におけるBcl6の役割を検証する目的でBcl6欠損マウス由来ナイーブCD4T細胞を解析した結果、脾臓、リンパ節、肺ではLy6C陽性の細胞のみが存在した。しかし、胸腺CD4T細胞はLy6C陰性であった。このことから、ナイーブCD4T細胞は胸腺から末梢へ流出後にLy6Cの発現が誘導されること、Bcl6がLy6C陽性細胞への分化を抑制していることが明らかになった。 2)Ly6C陽性ナイーブCD4T細胞の分化機序 野生型およびBcl6欠損マウス胸腺よりCD4+CD8-細胞を分取し、CFSEで染色後、野生型コンジェニックマウスに移入してLy6Cの発現を解析した。移入後2日~3日で野生型マウス由来胸腺細胞は約50%がLy6Cを発現するのに対し、Bcl6欠損マウス由来胸腺細胞はほとんどの細胞でLy6Cを発現した。Ly6Cの発現を誘導する因子を明らかにする目的で野生型胸腺細胞を様々なサイトカインで刺激した結果、IFNa,IFNgの刺激でLy6Cの発現が誘導され、Bcl6欠損胸腺細胞はどちらの刺激においてもより少量で誘導されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)ナイーブCD4T細胞の不均一性の検証 2)Ly6C陽性ナイーブCD4T細胞の分化機序 の当該年度の目的に対し、明確な結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ナイーブ細胞にLy6C陰性と陽性の細胞とが存在し、この分化にBcl6が関与していることが明らかになった。さらにこれらの細胞の機能の違いを解析し、免疫応答制御の基盤とする。 1. 培養系における機能解析 野生型マウスよりLy6C陰性と陽性のナイーブCD4T細胞を分取し、抗CD3/CD28抗体で刺激後、活性化能、サイトカイン分泌能等を解析することで機能的な違いを明らかにする。 2. 生体内での機能解析 分取したLy6C陰性と陽性のナイーブCD4T細胞をコンジェニックマウスやCD28欠損マウスに移入後免疫して、濾胞ヘルパーT細胞への分化、抗体産生への関与、記憶細胞への分化を検証する。この解析により、Ly6C陰性と陽性のナイーブCD4T細胞の生理的な意味合いを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞の生理学的な検討には多種のマウスが必要であり、準備に少し時間がかかっている。必要なマウスは入手できているので、匹数がそろった時点で実験を開始する。 Ly6C陰性と陽性のナイーブCD4T細胞の培養系および生体内での機能解析を行う。 実験にはコンジェニックマウスやCD28欠損マウスが必要となり飼育中であるが、数がそろい、準備ができ次第実験を行う。研究費はマウスの飼育、細胞解析のための抗体、ELISAのシステム等の購入に使用する。
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