研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究ではloxp配列およびサル由来ジフテリア毒素受容体(DTR)配列を持ち、自然リンパ球系列を特異的に生体内から除去可能なトランスジェニックマウスの作出を目的とする。loxp配列で挟まれたDTR-EGFP配列をタイプ3自然リンパ球(ILC3)のマスター制御因子RORgtのプロモーター直下に挿入したBacterial Artificial Chromosome (BAC)トランスジェニックマウスを作成後、T細胞系列特異的にリコンビナーゼCreを発現するLck-Creマウスと交配し、T細胞以外のRORgt陽性細胞、つまりILC3をジフテリア毒素依存的に除去する。Loxp-DTREGFP-loxp配列をpCDNA3.1発現ベクターに挿入後、ストローマ細胞株に遺伝子導入したところ、良好なEGFP発現が得られ、リコンビナーゼCreの共発現によるEGFP発現消失が確認できた。このコンストラクトをSK3.1 shuttleベクターに挿入後、RORgt遺伝子を持つBAC DNAで組替えを行った。この組替えBAC DNAをC57BL6マウス受精卵にインジェクションし、ファウンダーを得た。しかし、これらのマウスの胸腺および腸管におけるEGFP発現はスクリーニングした3系統からは現在得られていない。挿入したLoxp-DTREGFP-loxp配列のうち、(1)5‘側のloxpとDTREGFP配列間の塩基数が十分に取っていない (2) EGFP配列と3’側のloxpの間にpolyA配列を挿入しなかったことが、in vovoにおける挿入遺伝子の十分な発現を認めない原因であったと考えられる。
3: やや遅れている
当初計画したトランスジーンの生体内における発現が認められなかったことから、計画の再検討が必要となった。
Loxp-DTREGFP-loxp配列のうち、5’側のloxpとDTRの間に10塩基のスペーサーを設けると同時にEGFP-loxp間にpolyA配列を挿入する。また、EGFP-polyA-loxp-IRES-DTR-loxP配列を新たに構築し、より発現効率が高いトランスジーンの検討後、当初計画したマウス作成を完結させる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
Nature Medicine
巻: 20 ページ: 62-68
10.1038/nm.3432
皮膚アレルギーフロンティア
巻: 11 ページ: 50-51