頭痛は日常診療において最も重要な症状の1つであり、頭痛の診断には国際頭痛分類を念頭に置いた適切な医療面接が不可欠である。医学生の実践的頭痛診断能力の習得を目的として、模擬患者協力型頭痛診療シミュレーションプログラムを構築し、その有用性を検証した。医療面接で正しい診断に至った学生とそうでない学生との間で、情報収集状況、コミュニケーション等の基本的事項に関する評点に差はなく、診断には疾患に関する基礎知識とその適確な応用が必要と考えられた。模擬患者協力型シミュレーションは頭痛診療に関する技能・態度やモチベーション向上に有用であり、回数を重ねることによって知識の定着にもつながると考えられた。
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