研究課題
挑戦的萌芽研究
①基礎アッ セイ系の確立: 作製したexcisionで薬剤耐性を獲得するHIV株の複製を20%阻害するAZT濃度を用いてテスト薬剤の効果判定を行った。これまでに、AZT効果を明らかに増強される薬剤は同定されていない。弱いながら増強するものは見出されたが、細胞毒性域と交差する濃度であり、おそらく非特異的な効果であると判定した。②スクリーニング用アッセイ系: さらなる簡略化high through-put酵素アッセイ法を構築するために、当初計画ではレポータープラ スミドとしてβ-galactosidase(Gal)とsecretary alkaline phosphatase(SEAP)をinternal ribosomal entry site (IRES)でつなぎ、HIV-LTRをdetector promoterとして構築する予定であった。しかしプロメガ社より新しいレポーターとしてnano-luciferaseが発売され、そのレポーター効果を検討したところ、SEAPよりも感度良く測れること、サイズが小さく取り扱いが簡便であるため、LTR-Gal-IRES-Nano-luciferaseによるベクターを構築中である。細胞に関しては細胞内ATP量を検討したところ、リンパ球系細胞は高いものが多く、一方でHeLaのような付着細胞は低めであり、その意義を検討している。
2: おおむね順調に進展している
基本的なスクリーニング系は確立されており、小規模スクリーニングに対応可能となっている。新規マーカーを導入した検出系も確立しつつあり、大規模スクリーニングに向けた準備も進んでいる。本学や他施設に所属する合成・精製を主とする研究者とのネットワークも構築されつつあり、試験化合物の分与も受けている。そのため当初の予定よりも小規模スクリーニングは進行している。
現時点で、明らかなpositive controlになる化合物を見いだせていないため、今後もスクリーニングを進める。平成26年度で大規模スクリーニングができるようなアッセイ系を確立させる。
当初平成25年度に購入予定であったルミノメーターの購入を中止したことから経費を平成26年度に使用することになった。平成26年度は化合物の購入等をさらに進め、HIV耐性機序を阻害する目的の化合物の同定に資するスクリーニングを行う。
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