研究課題
挑戦的萌芽研究
自己免疫疾患の1つ:多発性硬化症(MS)の治療に向けた分子基盤情報を構築するべく、をExperimental Autoimmune Encephalomyelitis(EAE)モデル(MSの動物モデル)を用いて、以下の研究を行った。1)網羅的リン酸化シグナル検出に向けた、予備実験MOG35-55抗原を用いてWTおよびp38α+/-マウス(p38α-/-マウスは胎生致死)を免疫し、8日後の頸部、腋下、鼠蹊部リンパ節よりリンパ球を調整し、CD4陽性細胞を細胞分離装置で調整後培養し、3日間 MOG35-55抗原で再刺激を行い、Phospho Explorer Antibody Array(Full Moon BioSystems社:1318種の蛋白リン酸化検出)に供した。2つのgenotype間で様々な蛋白のリン酸化変動差が確認されたため、今後、再現性を確かめるとともに、EAE病変脊髄サンプルでの比較検討を行っていく。2)生理活性ペプチド:エンドセリンのMS発症への関与様式を呈示G蛋白共役受容体(GPCR)は、MS治療標的として認知されつつある。ケモカイン受容体がGPCRに属することを考えれば当然とも言えるが、ケモカインのみならず、生理活性ペプチド受容体も新たな治療標的として期待されている。GPCRに対するブロッカーで、すでに認可されている薬剤がMSに治療効果を示すならば、適用拡大により、より速やかに臨床応用が可能となる。このような背景を考慮し、申請者等は、MS発症に極めて重要と考えられているTh17細胞からのIL-17の産生に内因性のエンドセリンが関与することを、in vitro T細胞サブセット構築実験により証明した。これは、これまで報告のない新たな知見である (Tanaka et al., Life Sci 2014 in press)。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究目的に沿って研究展開ができているとともに、新たな知見として、生理活性ペプチド:エンドセリンがMS発症に関与する可能性を呈示できた。
目的を達成する上での技術的な障害(律速段階)は見当たらない。当初の研究計画に準じて、本研究を遂行する。
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J Recept Signal Transduc
巻: in press ページ: in press
10.3109/10799893.2014.896380
Life Sci
10.1016/j.lfs.2014.01.084
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日本肺サーファクタント・界面医学会雑誌
巻: 44 ページ: 18-19
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/bunsiseitai/index.html