研究実績の概要 |
昨年度は、合成したプローブの脱保護の際に用いるPFAがペプチドのカウンターイオンとして存在し、F-MRI測定にてピークが観察されたため、カラムを用いた脱PFA処理を行い、そのPFA由来のピークの消失を確認した。プローブのフッ素由来のピークは確認できたが、GLP-1受容体強発現細胞においてはそのピークは確認できなかった。そのため、今年度はピークの増強を目的としたプローブの改変を試みた。現行のプローブは、CF3基が二つexendin骨格に結合しているが、プローブ由来のピークを増強するためにはフッ素の数を増やす必要がある。かつその際にF-NMRのピークが同じものを増やす必要がある。今回は、perfluoro-3,5,5-trimethylhexanoic acid を用いてCF3基の増加によるピークの増強を試みた。合成はまず、Boc基を用いた固相合成法により骨格となるexendinの合成を行った。標識部位の残基にFmoc基を有するスペーサーを反応させ、脱Fmoc基により得られたアミノ基に前述のperfluoro-3,5,5-trimethylhexanoic acidを縮合反応(HATU,DIEA/DIC, HOBt、DMAP)により結合させた。ニンヒドリン反応での縮合反応が進んだことを確認した。TFAにより脱保護後、LCMSで得られた分子の分子量などの確認を行ったが、化合物を得られていないことが分かった。perfluoro acidが脱保護で使用するTFAなどの存在下において不安定であったためと推測される。
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