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2013 年度 実施状況報告書

幹細胞を用いた炎症部位特異的な新規遺伝子発現システムの開発とDDSへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 25670259
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関京都大学

研究代表者

橋田 充  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20135594)

研究分担者 山下 富義  京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30243041)
樋口 ゆり子  京都大学, 学内共同利用施設等, 講師 (40402797)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子発現制御 / 幹細胞 / 炎症
研究概要

本研究の目的は、炎症部位において特異的に遺伝子発現が開始するシステムの構築である。炎症部位においては、マクロファージや血管内皮細胞からTNFalpha などの炎症性サイトカインが産生され、それが刺激となりユビキチン-プロテアソーム経路によるIkappaBの分解が促進され、NFkappaBの核への移行および転写活性化されることが知られている。そこで、まず、IkappaBと蛍光タンパク質の融合タンパク質を発現するプラスミドベクターを構築し、その融合タンパク質を発現させた細胞にLPSやTNFalphaを添加したところ、蛍光が徐々に消失した。一方、蛍光タンパク質だけを発現させた細胞では蛍光は消失しなかった。細胞内におけるユビキチン―プロテアソーム経路による融合タンパク質の分解の評価を目的に、ユビキチン―プロテアソーム経路により分解されることが知られる蛍光タンパク質Fuuciを大腸菌で発現させ、回収したタンパク質をマイクロインジェクションにより細胞に注入した後、プロテアソーム阻害剤Lactacystinの存在または非存在下で蛍光強度の変化を観察した。結果、Lactacystin存在下と比較して非存在下の方が蛍光の減少が早かった。一方、プロテアソームを含むプロテアーゼ阻害剤MG132存在下では融合タンパク質はほとんど蛍光が減少しなかった。よって、融合タンパク質の分解にはプロテアソームが関与していることが示唆された。しかしながら、より厳密な評価が次年度への課題となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IkappaBのユビキチンープロテアソーム経路による分解を利用して、その融合蛍光タンパク質がTNFalphaやLPS刺激により蛍光が減少するところまで確認できた点は予定通りである。プロトタイプとなるユビキチンープロテアソーム経路による分解を受ける融合蛍光タンパク質Fucciを使って、プロテアソームによる分解の関与を明らかにしたが、一方で予定とは別の評価法が必要になったため、我々が作成した融合タンパク質の評価が間に合わず、やや遅れていると評価した。しかしながら、Fucciを用いて別の評価法の確立が進んでおり、研究全体としては、前向きに進んでいる。

今後の研究の推進方策

次年度は、予定通り、蛍光タンパク質をリプレッサーに置き換え、炎症性サイトカイン添加による遺伝子発現制御法の確立を進める。まずは、ベクターを新たに構築し、トランスフェクションした細胞にTNFaplhaなどを添加し、目的のタンパク質の発現が開始することを確認する。さらに、これのシステムを搭載した細胞を炎症モデルマウスに投与し、炎症部位における発現開始のin vivoでの確認を目指す。同時に、今年度課題となった、融合タンパク質の分解メカニズムの評価を加速度的に進める。

次年度の研究費の使用計画

当初の計画より、消耗品費が少額で執行できた。
初年度に明らかとなった課題を克服するため、メカニズム解明に必要な試薬などを購入する必要があるので、本差額を利用して研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Visualization of IkappaBalpha dagradation in hela cells with IkappaBalpha fragments fused to mK022013

    • 著者名/発表者名
      Nilufar Rahimova, Yuriko Higuchi, Fumiyoshi Yamashita, Mitsuru Hashida
    • 学会等名
      第28回日本薬物動態学会年会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      20131009-20131011

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公開日: 2015-05-28  

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