研究実績の概要 |
温熱療法関連の研究から, 脱分極を起こさない微弱な電流刺激が生体に与える作用についての研究に着手し, パルス幅(持続時間: 0.1ms) を有する短形波の微弱電流には, PI3K-AKT 経路の活性増強効果が認められることなど,基礎的および臨床的なエビデンスを構築してきた(eBiomedicine 2014; PLoS ONE 2014; J.Biol.Chem. 2013; Diabetes 2012; J.Cell Physiol. 2012; PLoS ONE 2008, 2012; J.Pharmacol.Sci. 2008,2010; Int.J.Hyperthermia 2009; J.Surg.Res. 2009等で発表).一般に,細胞膜は電気的抵抗が高いために,細胞内のシグナル分子に影響することはあり得ないことから,細胞の表層を流れる電流がどのようにして細胞内に刺激を伝えるのかという素朴な疑問を持つに至った.申請者らは, これまでの細胞生物学的アプローチの経験 (EMBO J. 2007; J.Biol.Chem. 2009; Mol.Cell.Biol. 2008; Mol.Cell 2012; Nature Commun.2013など) から, 様々な角度から微弱電流が生体に与える効果を科学的に検証してきた. その結果,持続パルス時間が 0.1msの電流に対して受容体TRPM7が関与している可能性が示され、その関与をさらに証明するためにCRISPR/Cas9 systemを活用して、KO cellを構築中である。線虫を用いた実験系も構築でき、TRPファミリーに対する微弱電流の影響も検討中である。これらの成果については、2015年度中には発表予定である。
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