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2013 年度 実施状況報告書

多戦略的翻訳後修飾モディフィコミクスによる肝胆膵早期がんの血中自己抗体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 25670266
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関千葉大学

研究代表者

野村 文夫  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164739)

研究分担者 澤井 摂  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10400962)
佐藤 守  千葉大学, 医学部附属病院, 寄付研究部門教員 (20401002)
小寺 義男  北里大学, 理学部, 准教授 (60265733)
西村 基  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80400969)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード蛋白質 / プロテオーム / 癌 / 臨床 / 検査医学
研究概要

多戦略的翻訳後修飾モディフィコミクスによる肝胆膵早期がんの血中自己抗体の探索を行うにあたり、初年度は先ず翻訳後修飾の代表格といえる糖鎖修飾を取り上げ、病態の経時的
変化が確認されているモデル試料を用いて方法論のチェックを行った。
アルコール依存症患者、断酒前後の経時的採血が行われているアルコール性肝硬変患者、年齢をマッチさせた健常対照、非アルコール性肝障害患者の血清試料を対象とした。プロテオーム解析は一般的にgel-basedとMS-basedに分類されるが、今回はより詳細な解析を行うために、両者を組み合わせたGeLC-MS法を用いることとした。血清からWGA (Wheat Germ Agglutinin) がコートされたマグネットビーズでN型糖鎖付加タンパク質を抽出した後、各サンプルを安定同位体標識試薬TMT (Tandem Mass Tag; Thermo Scientific社)で標識した。標識したサンプルを混合しSDS-PAGE を行い、CBB染色後のゲルから分子量ごとにトリプシンによるゲル内消化を行い、酵素消化したサンプルはLC-MS/MS測定後、データベース検索を行い、タンパク質同定及び比較定量を同時に行った。その結果アルコール性肝硬変症例の断酒前後で有意な変化を示した蛋白質が17種類検出同定された。この中にはこれまでにアルコール性肝障害との関連が知られていない蛋白質も含まれている。現在、アルコール性肝障害の重症度を反映するか、飲酒習慣の程度と関連するか、すなわち習慣飲酒マーカーとなり得るかについて検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

蛋白質の翻訳後修飾は糖鎖修飾、リン酸化、ユビキチン化など数多いが、最も頻度が多い
糖鎖修飾蛋白質網羅的解析について方法論を確認することができた。次年度に向けて
各種固形がん患者の血清試料の収集も順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

糖鎖修飾だけでなく、リン酸化および近年その多様な機能が注目されているユビキチン化に焦点をあてて、癌化の初期における翻訳後修飾を網羅的探索により捉え、その変化に対する生体の免疫応答(自己抗体の産生)を固形癌の超早期診断に応用することを進める。初年度で用いた糖鎖修飾解析手法の固形がん患者試料への応用も並行してすすめ、難治性消化器がんの新しい早期診断バイオマーカーの開発を目指す。

次年度の研究費の使用計画

予定していたいくつかの試薬を購入せずにすんだため。
最終年度となるため、成果発表費用(論文校正費用および学会での発表費用)として活用したいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increased Concentrations of Apo A-I and Apo A-II Fragments in the Serum of Patients With Hepatocellular Carcinoma by Magnetic Beads-Assisted MALDI-TOF Mass Spectrometry.2014

    • 著者名/発表者名
      Liu Y, Sogawa K, Sunaga M, Umemura H, Satoh M, Kazami T, Yoshikawa M, Tomonaga T, Yokosuka O, Nomura F.
    • 雑誌名

      Am J Clin Pathol.

      巻: 141 ページ: 52-61

    • DOI

      10.1309/AJCPBLFBNAP6N2UN.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Application of quantitative proteomic analysis using tandem mass tags for discovery and identification of novel biomarkers in periodontal disease2013

    • 著者名/発表者名
      Tsuchida S, Satoh M, Kawashima Y, Sogawa K, Kado S, Sawai S, Nishimura M, Ogita M
    • 雑誌名

      Proteomics.

      巻: 13 ページ: 2339-50.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum fibrinogen alpha C-chain 5.9 kDa fragment as a biomarker for early detection of hepatic fibrosis related to hepatitis C virus2013

    • 著者名/発表者名
      Sogawa, K., Noda, K., Umemura, H., Seimiya, M., Kuga, T., Tomonaga, T., Nishimura, M., Kanai, F., Imazeki, F., Takizawa, H., Yoneda, M., Nakajima, A., Tsutsumi, M., Yokosuka, O., Nomura, F.
    • 雑誌名

      Proteomics Clin Appl.

      巻: 7 ページ: 424-431

  • [学会発表] GeLC-MSプロテオーム解析による新規飲酒マーカーの探索と検証.

    • 著者名/発表者名
      曽川一幸、野村文夫ほか
    • 学会等名
      第33回アルコール医学生物学研究会学術集会
    • 発表場所
      高知市

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公開日: 2015-05-28  

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