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2014 年度 実績報告書

非構造蛋白質の機能性ドメインに着目したフラビウイルス感染症迅速鑑別診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25670267
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

井戸 栄治  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70183176)

研究分担者 伊吹 謙太郎  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00273524)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードフラビウイルス / デング熱 / ウエストナイル熱 / 黄熱 / 遺伝子検査
研究実績の概要

デング熱、ウエストナイル熱、黄熱など蚊を媒介とするフラビウイルスによる疾患は、症状も似ており、加えて血清学的にも互いに交叉を示すことから、免疫学的検査のみによって鑑別診断を下すことは困難である。本研究では、これらフラビウイルス感染症を、1回の共通する検査で迅速に鑑別できる遺伝子診断法を開発することを目的とした。従来は、多数の研究グループから個々のウイルスについてウイルスの構成蛋白質であるCやE蛋白質領域を標的としたRT-PCRの手法が提案されていた。初年度(平成25年度)は、データベース上で公開されている各ウイルス群の代表的な株の遺伝子配列情報を利用し、いわゆる非構造蛋白質をコードしている領域の内、ウイルス増殖に必須なメチルトランスフェラーゼとRNAポリメラーゼをコードしているNS5遺伝子領域全域(約3,000ベース)の配列に基づく分子系統樹がウイルスの全ゲノム配列に基づく系統樹とほとんど同じトポロジーを示すこと、またそれのみならず、その約1/3の配列から作成した系統樹も、同様であることを明らかにした。平成26年度は、各ウイルスの配列情報をアラインメントし、最も共通性の高い1対のプライマー領域(約920ベース)を設定し、実際にウイルスから抽出したRNAを鋳型として、そのRT-PCRがうまく作動するか否かを検討した。プライマー設計に当たっては、多様な株に対応できるように、数か所に複数塩基がミックスされているdegenerative primerを導入した。その結果、少なくともデングウイルス4つの血清型はすべて効率良く検出できることが確認された。また実際の臨床検体への応用に関しては、発熱症状が疑われながらマラリアなどが陰性であったアフリカ(コンゴ民主共和国)の血清検体をこの新しく開発した検査法で調べたところ、デングウイルスであることが確認され、その実用性が実証された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Joint research project on infectious diseases in West-African subregion.2014

    • 著者名/発表者名
      Ido E, Suzuki T, Ampofo WK, Ayi I, Yamaoka S, Koram KA, Ohta N.
    • 雑誌名

      J Disaster Res

      巻: 9 ページ: 813-817

    • 査読あり
  • [学会発表] デングウイルスの4つの血清型各群間を簡便かつ迅速に鑑別可能とするPCR法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      井戸栄治, Steve Ahuka, 伊吹謙太郎, James Brandful, Jean-Jacques Muyembe
    • 学会等名
      第62回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      横浜(パシフィコ横浜会議センター)
    • 年月日
      2014-11-10 – 2014-11-12
  • [学会発表] フラビウイルスの各群を迅速に鑑別可能とするPCR法の開発に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      井戸栄治, Steve Ahuka, 伊吹謙太郎, James Brandful, Jean-Jacques Muyembe
    • 学会等名
      第55回日本熱帯医学会・第29回国際保健医療学会合同大会
    • 発表場所
      東京(国立国際医療協力センター)
    • 年月日
      2014-11-01 – 2014-11-03

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公開日: 2016-06-01  

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