研究課題
高感度かつ迅速に敗血症等の起因菌を同定するシステム開発を引き続き行った、1)16S ribosomal nested PCRを施行し、PCR産物のTm値より起因菌を同定するTmマッピング法の検出精度を向上させ、臨床検体からの評価を実施した。敗血症が疑われた患者全血液200検体を検討し、85.5%(171/200)検体がPCRによるTmマッピング解析と通常の血液培養結果(陽性と陰性両者)と一致した。130検体がTmマッピング法で陰性であり、そのうち128検体(128/130、98.5%)が培養法でも陰性であった。70検体がTmマッピング法で陽性であり、そのうち59検体が起炎菌を同定し、シーケンサーによる遺伝子配列解析と100%マッチしていた。以上より、本Tmマッピング法の検出精度の高さが確認できた。3)子宮内感染症において、羊水中の細菌、真菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマに対して、本eukaryote made Taq plolymeraseを用いたリアルタイムPCR法による検出プロトコールを確立し、子宮内感染症が疑われた臨床検体で検討した。羊水300検体での解析結果は、検出レベル(陽性と陰性)は、マイコプラズマが93.3%(280/300)、ウレアプラスマが94.3%(263/300)、他の細菌が89.3%(263/300)で培養結果と一致した。228検体はPCR法で陰性であり、224検体(224/228,98.2%)が培養検査でも陰性であった。以上より、PCRを基にした羊水検査は、マイコプラズマ、ウレアプラズマが培養法が困難で時間がかかることを考慮すれば、感染症を迅速に否定できるという利点が高い。4)一分子蛍光相関法による転写因子NF-kB活性化定量測定法に関してオリンパス社MF⒛機器を利用した解析プロトコールを構築し、膵臓手術等の大手術時におけるモニターとしての有用性のデータを蓄積している。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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