腎臓病において、蛋白尿は腎予後、生命予後と関連する。本研究の目的は、オミクス技術を用いてネフローゼ症候群における糸球体透過性因子の探索を行うことである。これまで、白血球除去療法(LCAP)が有効であったネフローゼ症候群の蛋白尿と相関性の高い因子をプロテオーム解析により抽出した。その結果、寛解時に比して発症時、再燃時において3倍以上発現した4因子が抽出された。このうち、1因子はLCAPで低下した。一方、寛解時に比較して発症時、再燃時において0.5倍以下に低下する9因子が抽出された。このうち、LCAPにより、4因子の相対的発現量が増加した。これらは蛋白尿に関連する糸球体透過性因子の可能性がある。
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