脂肪酸結合蛋白質(FABP7)に着目し、膠芽腫の診断薬開発および腫瘍増殖制御の可能性を検証した。具体的には、1)ヒトFABP7に対する高力価のポリクロ―ナルおよびモノクローナル抗体を樹立し最適化しELISA系を構築した。2)ELISA法により、原発性脳腫瘍並びに脳血管障害の患者特に、低分化で悪性度が高い神経膠腫において、有意に髄液中のFABP7レベルが高いことを見出した。。3)病理学的検討では、FABP7の発現は神経膠種の悪性度と有意な相関を示すことが判明した。4) ヒトグリオーマ幹細胞株でのFABP7の発現をsiRNAにより抑制すると、幹細胞の増殖が有意に抑制されることが明らかになった。
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