研究実績の概要 |
平成26年度は、血液由来大腸菌株、尿路由来大腸菌株に加えて健康人由来大腸菌について、18種類の既知大腸菌病原遺伝子(sfa/foc, fimH, pap, afa, iha, cvaC, kpsMT, ompT, traT, aer, fyuA, iroN, cnf1, hly, ibeA, PAI, usp, ETTT)の保有状況をPCR法によって調べた。次にこの結果について、尿路由来大腸菌株の臨床解析によって感染群と非感染群に分けて各菌株群での保有状況の比較を行った。その結果、血液由来大腸菌株において線毛・接着遺伝子、細胞保護遺伝子、鉄取り込み遺伝子の保有率が高いことが判明した。また、新生児髄膜炎由来大腸菌株の次世代シークエンサーIon PGM(Life Technologise)による全塩基配列の分析と次世代データ解析ソフト(CLC Genomics Workbench)による遺伝子マッピング解析、BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)による相同性解析、Pfam 27.0 ( Sanger institute http://pfam.sanger.ac.uk/ )によるアミノ酸配列の構造モチーフ検索の結果得られた17種類の新規遺伝子について、血液由来大腸菌株、尿路由来大腸菌株、健康人由来大腸菌株での保有率を調べたが、優位な保有率を示す遺伝子は得られなかった。しかし、新生児髄膜炎由来大腸菌株に特有な遺伝子の可能性を有する3種類の遺伝子が得られた。
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