臨床解析によって分類した菌血症、尿路感染症、健常者由来の大腸菌株を用いた解析において、菌血症由来株に9種類の既知病原遺伝子の優位な保有を認めた。未知病原遺伝子の検索では、新生児髄膜炎由来大腸菌株について全ゲノムの分析、BLASTおよびPfamデータベースに対する相同性検索を行った。その結果、タンパク質機能が未知で類似の構造モチーフを既知蛋白質に認めない12種類の遺伝子が見つかった。更に、これらの遺伝子は菌血症、尿路感染症、健常者由来の大腸菌88株において殆ど保有を認めなかった。以上の結果から、12種類の機能未知遺伝子が大腸菌の血液脳関門の通過に重要な役割を有している可能性が示唆された。
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