研究課題/領域番号 |
25670279
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 利行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10350430)
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研究分担者 |
飯塚 進子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (00348533)
有戸 光美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (00509911)
岡本 一起 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40177085)
末松 直也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (50202122)
表山 和樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70434074)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アフィニティー精製 / 関節リウマチ / 糖鎖 / レクチン |
研究概要 |
本研究では、疾患(関節リウマチ、以下RA)と関係する蛋白質の糖鎖修飾を効率よく同定する手段として、複数の糖蛋白質についての同時複数探索系の確立を目的としている。ヒトにおいては、細胞で産生される蛋白質の50~70%に糖鎖が修飾されるとの報告があり、糖鎖が修飾される蛋白質の多くは細胞の膜に局在するか細胞外に分泌されることが多い。しかし、本研究では細胞膜あるいは細胞外液を蛋白源とした糖鎖修飾の探索ではなく、細胞質蛋白質を標的とした糖鎖修飾の探索系を確立する。2013年度は、細胞質蛋白質に糖鎖が修飾される蛋白質が存在するかを検証した。具体的には、健常者の末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell (PBMC))を蛋白質源として、アスパラギンに付加されるN型糖鎖中のマンノースを認識するConAレクチン、ガラクトースを認識するECAレクチン、フコースを認識するAALレクチン、分岐鎖のN-アセチルグルコサミンを認識するWGAレクチンを用いて糖鎖の検出を試みたところ、用いたすべてのレクチンで糖鎖が検出された。糖鎖の検出パターンは用いたレクチンにより異なっており、構造特異的に糖鎖を検出することが可能であった。従って、細胞質蛋白質の中にも糖鎖が修飾される蛋白質が複数存在することを明らかにした。今後は、各種レクチンをリガンドとしたアフィニティーカラムによって、PBMCs中の糖鎖修飾を受けた細胞質蛋白質を精製する方法を検討し、最終的に10個以上の糖鎖修飾の同時検出技術の確立を試みる 予定である。また、健常者とRA患者のPBMCを用いることによって、疾患特異的に修飾パターンが異なる蛋白質が存在するかどうかを検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
必要なツールとなる糖鎖の検出に関しての手法を確立した。しかし、糖蛋白質の精製法の構築に至っていないために計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、レクチンアフィニティーカラムを用いた糖蛋白質の精製、質量分析による糖蛋白質の同定などを行い、RA特異的に糖鎖構造の変化した蛋白質に関して解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は糖蛋白質の精製に着手ができなかったため、少々予算より支出が少なく残額が発生した。 ほぼ申請書に沿って使用する予定であるが、達成度が遅れている糖蛋白質の精製および精製した糖蛋白質の同定に関する試薬などに大きく配分する予定である。また、研究計画最終年度であるため、学会発表にも使用する予定である。
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