抗体は診断マーカーの高感度分析に必須であるが、分子量が大きく大腸菌内での発現量も低い。そこで、分子量が小さく大腸菌内で発現率が高い「リガンド結合ドメインタンパク質群」の創製を試みた。まず、抗体のH鎖可変部ドメイン (VH) を基本構造とし、相補性決定部H3のアミノ酸をランダム化したライブラリーを作製したが、実用的な変異体の取得には至らなかった。一方、単量体化したストレプトアビジンの3カ所のループ部位にin silico分子モデリングに基づいてランダム変異を導入したライブラリーを作製したところ、コルチゾールまたはエストラジオールに対して結合能を獲得した変異体をそれぞれ単離することができた。
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