研究課題/領域番号 |
25670293
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60282662)
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研究分担者 |
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40401070)
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60240355)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401064)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 疫学 / コホート研究 / 栄養 / 運動器障害 / 要介護 |
研究概要 |
本研究は、ビタミンK不足と運動器障害・要介護との関連を解明する住民コホート研究である。研究代表者と研究分担者は、3000人規模の一般住民コホート研究を2005年より開始し、定期的に追跡調査を実施している。本年度も和歌山県の漁村型コホートで住民検診を実施し、問診票による既往歴、家族歴、職業歴、食生活、身体活動、生活様式、飲酒喫煙、服薬、膝痛、腰痛、転倒発生状況、ADL/QOLなどの情報収集を行い、また身体運動検査、筋力、筋量、骨密度、レントゲン検査を実施した。栄養素については、佐々木らが開発した簡易型自記式食事歴法質問票であるBDHQ(brief-type self-administered diet history questionnaire)による調査を実施した。また採血を行い血清を冷凍保存した。収集した各情報は整理を行い、データベース作成作業を実施した。ビタミンK不足と運動器障害・要介護との関連については、本年度は構築したデータベースの分析を行い、地域一般住民集団827人(男性305人、女性522人)において、ビタミンK不足と変形性関節症のレントゲン計測指標について解析し、女性においてレントゲン膝関節裂隙の狭小化および膝関節の骨棘面積がビタミンK不足と有意に関連することを解明して論文報告(Mod Rheumatol 24:236,2014.)することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
住民コホートの追跡調査結果のデータベース化と分析作業を行うことができ、具体的研究成果として、ビタミンKと運動器疾患との関連のエビデンスとして、変形性膝関節症のレントゲン計測指標値とビタミンK不足との関連を論文報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度、平成27年度は、引き続きコホート調査およびデータベース作成作業ならびに、構築したデータベースの解析作業を進めていくことにより、ビタミンK不足症に関する疫学的実態を解明し、骨粗鬆症、変形性関節症、サルコペニアその他運動器障害や要介護移行との関連を解析していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は、ビタミンK不足症の運動器障害への影響を解明する住民コホート研究であるが、平成25年度は、ビタミンK関連研究については、データベース分析作業が研究の中心であったため、本年度は直接経費による研究費を使用せず次年度以降に使用する予定とした。 本研究の研究期間は3年であり、平成26年度と平成27年度において、実施するコホート調査費用とサンプル解析費用等に研究費を使用する予定である。
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