研究課題/領域番号 |
25670306
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
畝 博 福岡大学, 医学部, 教授 (40122676)
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研究分担者 |
今任 拓也 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (20368989)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 疫学 / 遺伝子多型 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
飲酒習慣は虚血性心疾患などの生活習慣病と関連があるという報告がなされている。そこで、今年度はアルコール代謝関連遺伝子多型とHDLコレステロールとの関連について解析を実施した。 すでに本研究に対し同意が得られている福岡県下のA企業の男性労働者1431名のDNAサンプルから新たにアルコール代謝に関連するアセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2: rs671)およびアルデヒド脱水素酵素1B(ADH1B: rs1229984)の遺伝子多型の同定を行った。測定したADH1B遺伝子多型のマイナーアレル頻度(MAF)は、23%、ALDH2遺伝子多型のMAFは25%だった。 対象者のアルコール摂取量をほとんど飲まない、1回1合、2~3合、3合以上に分けたところ、飲酒量が多くなるとALDH2遺伝子多型のGG保有者の割合が高くなっていた。次に我々は、AdditiveモデルとしたALDH2およびADH1B遺伝子多型とHDLコレステロールとの相関を重回帰分析を用いて解析したところ、ADH1B遺伝子多型では、有意な相関は認められなかったが、ALDH2遺伝子多型では、有意な負の相関が認められた。さらに、その相関は、年齢、BMI、地域、飲酒習慣、喫煙習慣、運動習慣で補正しても有意なままであった(effect: -1.72, P=0.003)。この結果から、日本人においてALDH2遺伝子多型(rs671)は飲酒量と生活習慣病との関連を調査する上で、良い指標となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は生活習慣に関連があると考えられる遺伝子多型を2種類しか測定することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
日本人において生活習慣に関連すると考えられる遺伝子多型についてシステマティックレビューを実施し、およそ20種類程度の肥満などの生活習慣病に関連すると考えられる遺伝子多型を選定する。選定した遺伝子多型を測定し、遺伝子多型をinstrumental variableとしたMendelian randomization approachを実施し、これまでに明らかとなっていなかった生活習慣と生活習慣病との因果関係を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子解析の一部が年度内で終了しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の遺伝子解析および調査に使用する。
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