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2013 年度 実施状況報告書

不妊治療が妊産婦合併症・児の発達障害に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 25670314
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関帝京大学

研究代表者

大久保 孝義  帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード母子保健 / 不妊治療 / 胎児
研究概要

我が国の生殖医療専門病院である宮城県岩沼市のスズキ記念病院において実施されている既存の妊婦コホート研究である母子健康手帳・家庭自己測定血圧に基づいた三世代(祖父母、父母、児)の血圧・環境・遺伝要因関連と生活習慣病発症に関する研究:BOSHI(Babies and their Parent’s Longitudinal Observation in Suzuki Memorial Hospital on Intrauterine Period)研究の参加妊婦について、不妊症の有無による対象者背景および出生児の出生体重等の比較を行った。解析対象者552名の妊婦のうち、不妊症の診断を有していた妊婦は38名、不妊症の診断を有さない妊婦は514名であった。不妊症の診断を有さない妊婦に比べて、不妊症の診断を有する妊婦は、妊娠時の年齢が高く(不妊症あり:33.4±3.6歳、不妊症なし:31.2±4.8歳、P=0.007)、出産歴の在る妊婦が少なく(不妊症あり:7名・18.4%、不妊症なし:218名・42.4%、P=0.004)、糖尿病の家族歴を有する妊婦が多く(不妊症あり:10名・26.3%、不妊症なし:67名・13.0%、P=0.004)、夫の喫煙率が低かった(不妊症あり:12名・31.6%、不妊症なし:263名・51.4%、P=0.02)が、妊娠時体重(不妊症あり:54.1±7.9kg、不妊症なし:53.9±8.9kg、P=0.92)や喫煙率(不妊症あり:10.5%、不妊症なし:15.7%、P=0.39)に差は認められなかった。不妊症の診断を有さない妊婦から生まれた児に比べて、不妊症の診断を有する妊婦から生まれた児は、在胎週数が短かったが(不妊症あり:39.3±2.1週、不妊症なし:39.8±1.2週、P=0.048)、性別(不妊症あり:男児46.0%、不妊症なし:男児52.7%、P=0.43)や出生体重(不妊症あり:2980.1±414.2g、不妊症なし:3071.9±396.8g、P=0.18)に差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

既にデータ固定を終えているBOSHI研究においては、不妊症の有無による対象妊婦の背景および出生児の出生時体重等の比較を終え、順調に進捗している。また、BOSHI研究参加者の児に関する追跡調査および診療情報を用いた解析に関しては、実施医療機関における大規模疫学研究の実施のため開始されていないが、診療録転記によって妊娠経過・分娩記録等の情報収集は終えることができたため、詳細な解析等を行うことが可能な状態が整った。

今後の研究の推進方策

BOSHI研究参加者の児に関する追跡調査および診療情報を用いた解析の実施を試みると同時に、診療録転記によって収集されたデータを用いて、各種不妊治療と妊娠合併症・分娩時異常との関連について、検討を進める。

次年度の研究費の使用計画

診療録転記による情報収集量が想定より少なかったため、転記者への謝金として使用を予定していた金額を繰り越した。
次年度以降は転記情報入力などのデータベース整備のために繰越額を使用予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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