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2013 年度 実施状況報告書

断面的な健康診断データに基づく慢性閉塞性肺疾患の発症前二次予防方略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25670325
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関昭和大学

研究代表者

中館 俊夫  昭和大学, 医学部, 教授 (60155760)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード慢性閉塞性肺疾患 / COPD / 事前予測
研究概要

本研究は2年間の研究として計画されており、本年度は初年度として下記の2点を実施した。
(1)縦断データ収集の完了
本研究の解析対象となる職業コホート集団について、追跡最終年度となる10年目のフィールド調査を実施し、10年間のデータ収集を完了した。1000名を超えるコホート対象者のうち70%以上の対象者で少なくとも5年以上の一秒量の変化に関するデータが得られており、これに基づいてΔFEV1を精度よく推定できる。また同時に努力性呼出の時定数分析のための時系列データ、及び各種バイオマーカー測定のための血液・尿資料の収集を完了した。
(2)COPDハイリスク者予測のための候補指標の予備的検討
追跡開始から6年目までのデータについて予備解析としてΔFWV1を計算し、その価と候補とする予測のための指標との関連を設定されたサブコホートについて検討した。その結果に基づく候補指標の絞り込みを行い、次年度の本解析において使用する指標の抽出を行った。
以上により、本年度は当初の予定通り次年度の本解析に向けた準備と予備的な検討を実施できたものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は次年度に行う本研究目的達成のための本格解析に向けた準備を行う年度であり、当初の計画に従って、職業コホートに対するデータ収集の完了、および既に収集済みのデータを用いた候補指標の検討について、おおむね予定通り実施することができた。なお後者の検討に基づく候補指標の絞り込みについては、引き続き継続中である。

今後の研究の推進方策

研究対象である職業コホートの2003~2013年度の10年間のフルデータセットを用いて、本研究の目的を達成するための本解析を実施する。
具体的には、まず職業コホートの対象者全員について、COPDリスクの評価として、10年間のデータに基づいてΔFEV1値を算出し、その分布などに関する基本的な検討を行う。
次に前年度の検討に基づき現在絞り込みを行っている予測のための候補指標とその組み合わせについて、コホート対象者全員の必要年次における測定を実施する。血液・尿中のマーカーについては、冷凍保管されている試料を分析し、肺の時定数指標については、最大努力性呼出の時系列データから算出する。この際資金面等の理由で対象者全員の測定が難しい場合は、ΔFEV1との対比が効率的に行えるように一部の対象者を抽出して測定を行う。
最後にΔFEV1で示されるCOPD発症リスクと予測のための候補指標の組み合わせとの関連を統計学的に分析し、COPD発症のハイリスクを、断面的に得られる指標から最も効率良く推定する方略を検討する。

次年度の研究費の使用計画

COPD発症ハイリスク者を予測する指標として平成26年度の本解析で検討する候補の中に、血清中のサイトカイン類など分析のための費用がやや大きなものが含まれ、26年度に配分が予定されている資金だけでは十分なサンプル数を分析できず、資金が不足する可能性が出たため、平成25年度の研究目的の遂行に差支えのない範囲で、資金を26年度に繰り越すこととした。
平成26年度に配分予定の資金と合わせて、候補指標となる血液・尿中バイオマーカーの分析費用に充当する。分析にあたっては、外部委託測定をできる限り避けて自ら測定を行うことで資金を節約し、多数のサンプルを分析し、研究目的達成の精度を高めることを目指す。

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公開日: 2015-05-28  

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