10年にわたり年1回の調査が行われた職域健常者コホートで、5回以上一秒量が得られた男性687名について、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態を最もよく反映する一秒量の年間変化量(ΔFEV1)と、一般的に行われる断面的な健康診断指標との関連性を統計学的に評価した結果、本人の喫煙、年齢と独立に、高感度C反応性蛋白、せき症状、25%肺活量位最大呼気流速の3項目がΔFEV1低下と有意に関連した。 COPDのハイリスク者である喫煙者や高齢者でも、実際に発症するのはその一部である。本研究ではその発症前予測において、炎症反応の存在、気道刺激症状、気道末梢部の閉塞を反映する指標が有用である可能性が示唆された。
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