研究課題/領域番号 |
25670326
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
|
研究分担者 |
玉置 淳子 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
佐藤 裕保 仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (10337115)
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 骨粗鬆症 / 骨密度 / 骨微細構造指標 / trabecular bone score / 骨折リスク評価 |
研究概要 |
骨密度は骨粗鬆症診断の根幹を成すが、大腿骨近位部骨折の半数は骨密度が骨粗鬆症域より高い者から起こる等、リスク評価性能は十分でない。そこで、骨密度に加えて、骨の微細構造指標と合わせることで、骨折リスク評価を改善することを目指して本研究を実施した。 平成25年度は、健常ボランティア閉経女性5人を対象に計5回の腰椎のDXAスキャンを撮り、trabecular bone score (TBS)の変動係数を算出した。1.75%で、腰椎骨密度の精度よりやや劣るが、問題ないレベルであることが確認された。 女性コホート研究であるJPOSコホート研究のベースラインでの腰椎の2重エネルギー吸収法による画像を保存光ディスクから取り出し、TBS解析専用プログラムで解析できる形に加工し、実際に解析した。JPOS研究ではベースラインから10年間の椎体骨折がすでに把握されているので、TBSと新規椎体骨折との関連を検討したところ、TBSは年齢、骨密度、既存椎体骨折とは独立して新規椎体骨折のリスクを表現し、骨密度によるリスク評価を有意に改善することが示された。 同様に、男性コホートであるFORMEN研究の対象者のTBSも計算できた段階である。 FORMEN研究の椎体骨折の診断は現在進行中である。全13椎体について1椎体6点をコンピュータ画面上でポイントし、椎体高を計測する時間のかかる作業であるが、概ね順調に進んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベースライン時点でのTBSは男女とも計算できており、女性ではその有用性も確認できたことは今後の骨粗鬆症診療での骨折リスク評価を改善する重要な結果である。男性での検討はまだだが、椎体骨折の診断に時間を要している。しかし、これは予想されたことで、概ね予定通りと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
男性コホートについて、椎体骨折の診断をできるだけ早く終了し、椎体骨折リスク評価におけるTBSの役割を明らかにする。これは時間の問題である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
TBS解析ソフトウェアTBS iNsight (Med-Imaps社フランス)の日本総代理店が決まり、実際に購入できるようになったのが年度末であったため、25年度内に購入できず、この費用80万円が執行できなかった。ただし、TBSの解析ができなければ、研究は進まないので、交渉の結果、26年度ソフトウェアの購入を前提にtrial versionの同ソフトウェアとMed-Imaps社の解析協力で研究は進んでいる。 26年度にTBS解析ソフトウェアTBS iNsight を購入するので、上記の未執行額は執行される。
|